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賃金の引き下げについて

会社に勤める従業員は雇用契約で定められた条件で就労をしており、賃金もこちらの条件に含まれることから、会社側は一方的に賃金を引き下げることはできません。
以下では、会社側に従業員の賃金の引き下げが認められる主なケースを6点ご紹介いたします。

 

1.懲戒処分
就業規則に定められた懲戒事由に該当した場合には、賃金の引き下げを行うことが可能です。
懲戒処分を理由とした賃金の引き下げを行うためには、あらかじめ就業規則に懲戒事由・減給の懲戒処分を規定する必要があります。
また、こちらを理由とした引き下げには法律で限度額が定められており、「一回の額が平均賃金の一日分の半額を超える」、「総額が一賃金支払期における賃金の総額の十分の一を超える」場合には違法となります。

 

2.就業規則の給与テーブルの変更
会社が就業規則に定められている給与テーブルを変更した際には、賃金の引き下げを行うことが可能です。
ただし、就業規則を労働者の不利益に変更する際には合理的な理由が必要となり、労働者から合意を得られなかった場合には原則として違法となります。

 

3.降格
会社からの業務命令で降格が行われる場合には、賃金の引き下げを行うことが可能です。
ただし、役職の引き下げに伴う減額が非常に大きい、不当な動機で等級が引き下げられたなどの場合は無効となる可能性がございます。

 

4.労働協約に基づく減額
会社と労働組合の間で結ばれた労働協約に基づいている場合には、賃金の引き下げを行うことが可能です。
ただし、労働協約を締結した労働組合に所属していない従業員は、不利益の程度が大きいといったケースに当てはまれば違法とされる可能性があります。

 

5.合意に基づく減額
従業員が給料の減額に合意をしている場合には、賃金の引き下げを行うことが可能です。
ただし、こちらの合意は労働者の自由な意思に基づいてされたことが認められる必要があり、合意を断れる状況ではなかったなどの事情が存在すれば、違法とされる可能性がございます。

 

6.給料の査定条項に基づく減額
給料が固定額ではなく、査定によって決定する方式を採用する会社では、賃金の引き下げを行うことが可能です。
ただし、査定は公正に行われる必要があり、基準が不明確である場合などは違法とされる可能性がございます。

 

なお、給料の減額がなされた場合には減額の根拠と理由を確認し、会社に対して差額分の支払を請求・交渉します。
そして、協議による解決が困難である際には、労働審判や訴訟といった手続きを用いて解決を図ることになります。

 

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