円満調停のメリット・デメリット
夫婦間にはさまざまなトラブルがありますが、夫婦の関係に問題が生じた際に、これを法的に解決する方法としては、訴訟の前に、調停があります。
夫婦関係の調整として、離婚を考えている場合、養育費の問題や親権の帰属、面会権の有無、婚姻費用などが問題となりますが、調停においてこれらを相互の話し合いによって解決することを試みることができます。
調停の特徴は、間に公正な調停委員が3名入ることで、仲裁役を果たし、相互の間接的な話し合いと合意による解決を図ることにあります。
そして、婚姻関係調整調停には、離婚を望む者がすべてではなく、円満な解決を図る者があります。
ここで行われる調停を「円満調停」といい、離婚をするのではなく、上記特徴のある調停という制度の下で夫婦関係の調整を行うことになります。
このページでは、円満調停のメリット・デメリットをご紹介します。
円満調停のメリット
円満調停を選ぶと、夫婦関係修復に以下のような利点があります。
①冷静な状態で話し合える機会が生まれる
夫婦関係が破綻しかかっている場合、夫婦は会うとすぐに喧嘩腰になってしまいがちです。
しかし、調停においては、当事者が別室に待機した状態で、相互に意見を聞くという形で行われるため、お互いの本音を冷静に話すことができます。
②親族や友人を交えた修復よりも公平性が保たれる
親族や友人を介して行う修復では、どちらかが有利になりがちです。
言いたいことが上手く伝わらないまま話し合いが終わる可能性があります。
しかし、円満調停で関与する調停委員は裁判官を含めた公正な第三者3名であるため、どちらに肩入れすることなく仲裁することができます。
③根本的な問題に気づける
夫婦間での話し合いでは、根本的な原因にたどり着く前に喧嘩になったり、どちらかに押し切られてしまうことがあります。
しかし、円満調停では、公正な第三者からの視点から助言ができるため、夫婦仲が悪くなった原因を突き止め、解決策を提示することができます。
④解決策が提示される
調停委員は公正な立場から、どちらが何をしたらいいかを示してくれるため、円満に解決することができます。
あくまでも双方の合意を目指すという点が特徴なので、どちらかが全く納得しないまま調停成立となることはありません。
円満調停のデメリット
しかし、円満調停にもデメリットが存在します。
①必ずしも夫婦関係が修復できるとは限らない
裁判所に依頼しても、自分の思い通りになるとは限りません。
あくまでも、円満調停は夫婦関係修復の手段の一つであり、思い通りに全てが進むとは限りません。
円満調停が一応成立したとしても、その後の夫婦関係の円満が約束されるわけではない点に注意が必要です。
②手続きが少し面倒
調停は、申立て書を裁判所に提出することによってはじまります。
調停は、原則として相手方の住所地を管轄する家庭裁判所に申立書類を郵送または直接窓口で提出の形で申立てを行います。
例えば、東京23区内であれば、東京家庭裁判所の本庁に申立てを行います。
解決に至らなければ何度も日にちを設けて話し合いが行われます。
そのため、当事者間での話し合いによって円満解決を図るよりは、複雑な手続きを要する点でデメリットがあるといえます。
③時間がかかることがある
裁判所に依頼する場合、手続きや調停のために上述のように時間がかかることがあります。
そのため、すぐに解決したいという場合には、円満調停を選ぶことが適切ではない場合があります。
④費用がかかることがある
また、円満調停には費用がかかります。
もっとも、訴訟を提起するような場合に比して、時間も費用も掛からないことが調停の特徴ではあります。
⑤調停の合意に強制力がない
調停で合意が成立した場合、その合意内容は法的な強制力を持ちません。
解決策として約束したことが守られない場合に、相手方に強制することもできません。
夫婦関係にお困りの方は西宮駅前法律事務所までご相談ください
夫婦関係の修復に円満調停を選ぶメリットとデメリット比較し、自分たちにとって最適な方法を選択することが大切です。
まずは、法律の専門家である弁護士に相談することが重要です。
西宮駅前法律事務所は、夫婦関係に関する問題の法律相談を承っております。
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